お口の健康維持については以前に「定期健診について」の回でお話しいたしました。
ぜひ覚えていただきたいお口の健康を保つため のポイントは、「食後のブラッシング」「間食の制限」「フッ素入りの歯磨きをお使いいただく事」の三つです。
今回はそのひとつ、ブラッシングのための歯ブラシ選びについてお話したいと思います。まず、厚生省が定める歯ブラシの所要条件を簡単に申し上げますと
1・操作が簡単で、効果的な清掃ができること。
2・毛先が歯及び歯と歯の間に届いて清掃ができ ること。
3・毛の束の間隔が適当で、歯ブラシに汚れがたまりにくく、清潔をたもてること。
4・歯ブラシの毛および柄の部分がしっかりしていて、変形、変質しないこと。
5・歯や歯ぐきを傷つけたり、人体に害のある物質が溶け出さないこと。
6・特別な効果を標榜するものは、その理由を明 示することが望ましい。
となっております。
さて、これらの所要条件を満たし、かつ日本工 業規格の詳細な規格を合格し、実に様々な歯ブラシがお店で売られているのですが、あまりに数が多すぎて、見るだけでも一苦労という方も少なくありません。
さらに、歯ブラシの選択基準について同省では
1・個人の口腔の発育などに応じた適当な大きさであること。
2・ブラシ毛は乾燥しやすく、適当な強度と弾性があり、先端が鋭くなく、毛束の間隔が適当なもの。
3・毛の長さは小児用を除いて一般に㎜以上であって、植え込みの短辺は㎜以下、長辺は㎜以下であることが望ましい。
4・植毛部の形態はストレート型が良い。
5・柄は変形、変質せず、保水性の無いものであって、握りやすく使いやすいものであること。
6・外観は近代センスにマッチして、美しく魅力的であるもの。
7・外装は十分清潔な状態に保たれているもので あること。
と示しています。魅力的な歯ブラシ …持ち歩きしやすく、ブラッシングに楽しさが加わりますね。
長々と書き連ねましたが、一番大切なのは今のご自分のお口の状態とライフスタイルにどんな歯ブラシが向いているのか、ということです。
一般的に毛先が直線平切り型で、頭の部分が小さめのものが小回りがきき、操作がしやすいといわれていますが、汚れの残りやすい箇所、磨き方の癖は人それぞれですので、歯ブラシに疑問をお持ちの方は、普段お使いの歯ブラシをお持ちになって、一度ご相談にいらっしゃってください。
また、歯ブラシでは清掃しきれない歯と歯の間はデンタルフロス、歯間ブラシなどの補助的清掃器具を歯ブラシと併用していただくことをおすすめします。
こちらも適正なサイズと使い方のこつがありますので、ぜひご相談ください。
最後に歯ブラシの交換時期についてですが、一日三回ブラッシングをされる方で、約一ヶ月で取替え時期といわれています。これは、歯ブラシの毛の抗菌効果の持続がおおむね一ヶ月であるためと言われています。
また一ヶ月以内でも、歯ブラシの頭の部分を裏から見た際に毛束が左右に開いていたり、毛がちぎれたりしていると、毛の弾力が失われていたり、毛羽立ちが生じてブラッシングの効果が損なわれたり、歯ぐきを傷付ける原因になりますので、お取替えの時期となります。